刑事事件での反省文の書き方やポイントについて

示談成立のために

何らかの刑事事件を引き起こしてしまった場合、被害者からの告訴を取り下げてもらうことや示談を成立しやすくするためには「事件を起こした事実や被害者に対する心からの反省」を示す必要があります。

ただ口頭で反省していると伝えても信じてもらえない可能性が高いですし、相手に伝わらなければ言葉や態度による反省は意味がありません。特に被害者からすると加害者に会いたくないと考えている人も多いので、本人に直接反省の意思を伝える手段は限定されています。

このため被害者に対して反省している姿勢を見せるためにも作成する必要があるのが、反省文または謝罪文と呼ばれている文書です。その中でも反省文は被害者がいない刑事事件で作成する文書とされていて、単純に「二度と事件を起こさない」という内容の文書を検察官や裁判所に提出するようになっています。今回は、この反省文の書き方やポイントについて解説していきます。

ちなみに反省文の書き方ですが、書き方のフォーマットや絶対にこうしなければいけないという決まりはありません。そのため何を書けばいいのか、どのような内容にすればいいのかなどのポイントを押さえて解説します。

まず反省文の書き出しの部分についてですが、犯してしまった犯罪や加害者である自分自身の家族に対する謝罪の言葉から始めます。もしも被害者が存在する刑事事件を起こしてしまった場合は、自分の家族ではなく被害者や被害者家族に対する謝罪の言葉を書き込むのが大切です。

そして今回起こしてしまった刑事事件の動機や理由などをできる限り具体的に書き込み、なぜ刑事事件を起こしてしまったのか自己分析をします。

ポイントとなっているのが事件に対する自己分析であり、動機や行動史、必要であれば過去の出来事なども踏まえて具体的に書いていくのがおすすめです。こうすることで検察官や裁判所に対して事件を起こした背景には何らかの要因や理由があったと説明できますし、内容によっては情状酌量など罰則を軽くしてもらえる可能性が高くなります。

ただし注意点として、ここで言い訳じみた理由を書いてしまったり動機や理由がないと書いてしまうと印象を悪くしてしまう可能性があります。もし動機や理由が思い当たらない場合は、それまでの行動や経験を振り返ってきっかけとなる出来事がなかったかどうかを分析するのが重要です。

反省文/謝罪文はここが肝心

そうして刑事事件を起こした動機や理由を踏まえ、自分の行動がどのような結果を起こしてしまったのか、どれだけ悪いことをしてしまったのかを書いていきます。

この部分を曖昧に書いてしまうと反省していると判断してもらえなくなりますし、その後再犯の恐れがあると判断されてしまう可能性があるので注意が必要です。

ほかにも冷静に事件を起こした結果などを書き込むだけではなく、そこからどのような悪影響が起きているのか、自分の家族や被害者がいる場合は被害者にどのような不利益が生じてしまったのかを考えるのも大切だとされています

その上で今後刑事事件を起こさないためにはどうすればいいのか、再犯防止の対策を自分で考え記入します。ここで大切なのは自分がどのように再犯防止に努めていくのかというところなので、自分以外の誰かに再犯防止対策を求めたり周辺環境に責任転嫁するような内容にするのはNGです。

また自分が実現できない内容にするのも印象を悪くしてしまうので、自分が実際に実現できる再犯防止対策を考えます。そして可能であれば裁判前に具体的な再犯防止の対策を実行して、その結果を検察官や裁判所にアピールしておくのもおすすめです。

あとは今後は二度と刑事事件を起こさないことや再犯をしないことなどを明記し、もう一度謝罪の言葉を添えれば基本的な部分を押さえた反省文になります。被害者がいる場合には、途中で被害者に対する謝罪の言葉やどのように償っていくのか具体的な内容を添えておくのも大切なポイントとなっています。

反省文を書く上での注意点としては、なるべく丁寧に手書きを心がけるところです。また謝罪文と違って反省文の場合は再犯防止対策に関する内容が重要視されている傾向があるので、自分が刑事事件を起こした動機や行動をしっかり分析した結果を踏まえた内容にしておくのが重要です。

このため起こした刑事事件に対する自己分析や対策が十分書き込まれていれば反省していると判断されやすいですし、加害者本人も冷静に自分を見つめ返せるきっかけになると考えられています。