不起訴を獲得するための弁護士相談

不起訴

刑事事件では、起訴されるか不起訴になるかという点が非常に重要です。

起訴と不起訴の違い

これを理解するには、起訴と不起訴の違いを明確に理解しておくことが必要になります。起訴とは、検察が裁判所に対し、被疑者を刑事裁判にかけるよう申請することを言います。起訴されると「被疑者」は「被告人」と呼び名が変わることになります。

日本では検察による捜査が進み、被疑者の罪がほぼ確実となった場合に起訴されることが多いため、起訴されれば99.9%の確率で有罪になります。一方不起訴とは、起訴されないこと、つまり刑事事件にかけられることなく処分が決定することを言います。

不起訴になると刑事手続きはその時点で終了し、前科が付くこともありません。留置所や拘置所からも釈放されるため、日常生活にも復帰できるようになるので、生活の立て直しを図ることが可能です。間違いやすい点ですが、不起訴は「容疑が晴れる」ことではありません。罪を犯していることは間違いないが、今回は起訴しないという場合でも不起訴処分になることがあります。

不起訴処分になる3つの理由

不起訴処分になるには3種類の理由が存在します。

  • 嫌疑なし
  • 嫌疑不十分
  • 起訴猶予

です。

嫌疑なしとは

嫌疑なしとは、被疑者が罪を犯していないという理由です。やったことが犯罪行為となる要件を満たしていなかったり、真犯人が判明した時はこの理由となります。

嫌疑不十分とは

嫌疑不十分とは、疑いはあるが決定的な証拠がない場合です。

起訴猶予とは

起訴猶予とは罪を犯したことは確実だが、今回は起訴しないという場合です。被疑者が深く反省している、被害者との示談が成立している、犯した犯罪が軽度で再犯のおそれもない場合はこの理由が該当します。

参考:刑事事件での反省文の書き方やポイントについて

不起訴処分の弁護活動

つまり、不起訴処分を望むのであれば、この3つの理由のいずれかに当てはまるように、弁護士に弁護してもらうことが重要になります。とはいえ、嫌疑なし、あるいは嫌疑不十分で不起訴を勝ち取るには、警察や検察と同程度、あるいはそれ以上の証拠収集能力が必要になります。現実的に考えてそれは難しいので、基本的には起訴猶予による不起訴を狙うのが、弁護の基本となります。

素人ではやはり難しいため、不起訴を勝ち取りたいのであれば、弁護士に依頼することになるでしょう。逮捕されてから起訴されるかどうかが決定するまでには23日間しか猶予がないため、迅速さという点でも、専門知識や経験が重要になってくるからです。

起訴猶予になるには

起訴猶予になるには、いくつかの条件を満たしておく必要があります。まず罪を認めている場合は、被害者との示談が成立しているか否かが重要なポイントになります。特に被害者からの告訴がなければ起訴できない親告罪の場合は、示談が成立して告訴が取り消されれば、必ず不起訴になります。

痴漢や盗撮、軽い傷害といった比較的軽微な犯罪の場合も、示談が成立していれば不起訴になる確率が高くなります。示談が成立しているということは、被害者が加害者を許しているということです。検察官としても、そのような事件を起訴する必要性は乏しいと考えるのです。

示談交渉は弁護士に依頼せず自分で行うことも可能ですが、加害者は被害者の連絡先を知ることはできないので、被害者のことを予め知っている場合以外は弁護士への依頼が必要になります。仮に連絡先を知っている場合でも、自分で示談交渉を行うことは避けた方が無難です。捜査機関から証拠隠滅を疑われたり、被害者が脅迫されていると感じて110番通報し、再逮捕される危険性もあります。その点弁護士であれば代理人の立場で交渉を進めることができるので安心です。

再犯の可能性の否定

再犯の可能性を否定することも、不起訴を勝ち取るためには重要な点です。検察官の立場で考えれば、「お咎めなし」とした加害者が再犯に及べば立場がありません。それを踏まえた上で、自分は再犯のおそれがないと主張することが大切です。闇雲に「もうやりません」と繰り返すだけでは主張になりません。

再犯の可能性を否定するためには、反省している証拠を提出すること、再犯防止のための方策を示す必要があります。反省している証拠としては、詳細な自白文や反省文を作成することが挙げられます。上辺だけ取り繕っても検察官が見ればすぐ分かってしまうので、真摯に反省した態度で作成することが重要です。再犯防止のための方策とは、家族による監督や専門施設への入所などを約束することを意味します。弁護士に相談すれば、具体的にどのように主張して行けばいいのかアドバイスを受けることが可能です。

刑事事件はスピード勝負

逮捕から起訴されるかどうかが決まるまでには時間がありません。だからこそ、不起訴にするにはできるだけ迅速に行動することが大切なのです。自分や家族が突然逮捕されてしまえば、どうしていいか分からず狼狽えてしまうのは当然です。しかし何もしないままでは大切な時間がどんどん過ぎて行ってしまいます。無料で相談を受け付けてくれる事務所もあるので、刑事事件を専門にしている弁護士にまずは相談することが重要です。