クレプトマニアとは?適切な治療と支えが必要!

万引き

クレプトマニアとは

クレプトマニアとは、盗み行為を止めたくても止められない精神障害のことです。盗み行為のほとんどが万引きであり、万引き依存症でもあります。

クレプトマニアを日本語にすると窃盗症窃盗癖となり、物を盗みたいという衝動が抑えられないことを言うのです。クレプトマニアの多くは、盗んだものが欲しいわけではありません。そのため、自分が必要としていない物や金銭的に価値の低い物を盗む傾向にあります。クレプトマニアになっていると、盗む時のスリルや快感が忘れられずに繰り返してしまうのです。

特徴は、抑うつ症状や過食・拒食症状を伴っている人に多いとされています。有病率は、万引きで逮捕された人の約4%から24%です。

一般人口での有病率は約0.3%から0.6%と低いので、万引きを繰り返してしまう人はクレプトマニアの可能性があります。男女比では、女性の方が多いです。

クレプトマニアの原因

クレプトマニアの原因には、生物学的因子と心理・社会的因子、遺伝的因子があります。生物学的因子では精神遅滞や脳疾患と関係し、脳内伝達物質のモノアミンの代謝障害が原因です。大脳皮質が委縮した人や側脳室の拡大があると、モノアミンやセロトニンの障害が起こり窃盗への判断が鈍くなってしまいます。

一方、心理・社会的因子では、激しいストレスが原因で、多くのクレプトマニアは、心理・社会的因子が原因と言われています。そのため、日常的にストレスを感じている場合や孤独を感じている時に、盗みをしやすいのです。また、抑うつ状態や過食などで悩んでいる時に、盗み行為をしてストレスを解消させている場合もあります。これらは、満足感を得るために繰り返してしまうのです。また、親族に窃盗症がいると、遺伝する可能性もあります。両親や兄弟が窃盗症だと強迫性障害などになりやすいという報告もあり、クレプトマニアの原因にもなるのです。

クレプトマニアの発症時期

クレプトマニアは小児期から始まる人もいますが、小さい頃から窃盗をするわけではありません。青年期後期で発症すると言われ、女性は約35歳、男性は約50歳頃から症状が現れます。強いストレスなどがきっかけで、発症してしまうことが多いようです。症状は慢性的に経過しますが、急に活発になることもあります。何週間も盗みをしない時期があれば、盗むことへの衝動が抑えきれない期間もあるのです。症状は人それぞれですが、衝動が抑えきれない時期と寛解期を繰り返しながら盗み行為をしています。

クレプトマニアを診断する基準

クレプトマニアを診断する基準です。

  • 一つ目は、盗品が自分のために使われるわけではなく金銭的価値もないのに、衝動に抑えきれなくて盗み行為を繰り返す場合です。
  • 二つ目は、窃盗をする直前に気持ちの高ぶりを感じるかになります。
  • 三つ目は、盗んだことで開放感や満足感、快感を得られるかです。

この三つは、診断基準の中でも特に重要とされています。一般的に万引き行為には、お金がなくて盗ってしまう金銭目的と、ストレス解消のための快感目的がありますが、クレプトマニアは後者に当てはまります。

金銭目的の場合は、窃盗前に罪悪感を感じる人が多いですが、快感目的の場合は罪悪感がありません。よって、盗みの前後に気持ちが高まってしまい、抑えきれない場合はクレプトマニアと判断されることが多いでしょう。

そして、判断基準の4つ目は、盗みは怒りや報復を表現するわけではなく、幻覚や妄想への反応でもないことということです。さらに、その盗み行為は素行症や躁鬱、反社会性パーソナリティ障害では説明できないことというのも判断基準に含まれます。この判断基準は、DSM-5として心療内科などでクレプトマニアの判断に使われているのです。

クレプトマニアの治療とメンタルヘルス

クレプトマニアと診断されると、精神障害として専門病院でのカウンセリングや入院をして治療をします。特に、クレプトマニアになってしまった原因を探り、精神的に落ち着ける環境を作っていくのが大事です。ストレスや孤独などが原因で盗みを繰り返す場合は、カウンセリングなどで症状が改善することもあります。治療は、精神障害となるので保険が適用できますが、長期の入院が必要な場合もあります。差額ベッド費用などで入院費が多めにかかることもあるので、注意しましょう。

クレプトマニアは、精神障害であるので、メンタルヘルスが重要になります。精神的な疲労、ストレス、悩みなどの軽減や緩和とそれへのサポートが重要になるのです。刑事事件とメンタルヘルスは密接につながっているのです。

クレプトマニアは弁護士相談

また、クレプトマニアで盗みをしてしまった時に、弁護士に相談することが重要です。クレプトマニアでは、止めたくても止められないという障害があるため、刑罰よりも治療を優先させるという考えがあります。よって、クレプトマニアと診断された時は執行猶予付きで不起訴になることもあるのです。

クレプトマニアを扱う弁護士は治療に専念できるように、警察や司法機関に働きかけます。医師やカウンセラーとの相談や家族が支えられるような環境を整えてくれることも可能です。また、同じ病気の人と話す機会を設け、相互援助できる活動も行っている場合もあります。クレプトマニアを扱う弁護士の多くは、特徴や治療方法などを理解しています。そのため、クレプトマニアから回復するためには、医療機関や弁護士に相談するのも一つの手段なのです。